GPGPU
そもそもなんの略か。
英語版Wikipediaによると
General-purpose computing on graphics processing units (GPGPU, rarely GPGP) is the use of a graphics processing unit (GPU), which typically handles computation only for computer graphics, to perform computation in applications traditionally handled by the central processing unit (CPU).
となっています。
the use of a graphics processing unit (GPU)、となってるので この説明だと計算方法の名前になります。
そもそも
General-purpose computing on graphics processing units
の略、となっているので日本語に直せばGPUを使った汎用計算、ということになります。
そもそもGPGPUの略をちゃんと調べようとしてこのon
が付いてるのを見つけたのが今回の話のきっかけなんですが。
日本語版Wikipedia も見てみると
GPUの演算資源を画像処理以外の目的に応用する技術のことである
とあります。 また、GPGPU対応のグラフィックカードやGPGPU専用製品などといった言葉もあり、 基本的にはGPGPUという製品やものがあるわけではないという感じです。
ただ、 General Purpose Graphics Processing Unitの略だ、と言ってるところもあって、 これだとそういったもの、GPUの種類、と言った感じにもなります。
これまでGPGPU、と言ってたときにはこの体で使ってることが多かったです。
ただ、色々見てると少なくとも元々は GPUを使った汎用計算、という技術のことを言っていたのかな、という感じがします。
多分今GPGPUをCPUとかと同じ感覚で言葉として使っても意味は通じるので 普段は問題ないと思いますが。
元々の語源
検索してたらこんなものが見つかりました。
GPGPU: general purpose computation on graphics hardware - Semantic Scholar
2004年に行われたSIGGRAPHという国際会議の講演資料ですが、 このページを見ても分かる通りGPGPU、というときにReferenceと載せている論文とかも結構あるみたいです。
なのでなんとなくこれが一番最初に使われたGPGPUという言葉なのかな、と言う感じはあります。
ここではon graphics hardware、といってるのでGPGHじゃん、と突っ込みたくもありますが。
GPGPU@Googleトレンド
Googleトレンドで見てみるとGPGPUは2004年ころから出てきてなぜか2008年頃にピークを迎えて その後落ちていきます。
2004年より前が見えないのであれですが、雰囲気的には上の会議(2004年8月)より前にも 検索があるのでGPGPUという言葉自体はすでにほかでも使われていた様ではあります。 論文的な体で参照できるようなものが上のものが最初だっただけ、ということかもしれません。
ただ、いずれにしろ2004年の頃から言われるようになった様です。
GPUという単語自体は順調に検索数が増えていっています。 ゲームなどでも協力なGPUは必須なものとなってきていて 通常利用のGPUの検索も増えているとは思うのですが、 汎用計算用のGPUという意味でもGPGPUではなくてGPUで検索することのが多くなったのかな、と。
まとめ
GPGPUはGeneral-purpose computing on graphics processing unitsの略、というのが 一番良く使われてるものであり、 GPUを使った汎用計算、という計算方法の名前、というのが主流です。
一方でGeneral Purpose Graphics Processing UnitというまさにGPGPU、というものの略、としてるところも 多々あり、今となっては間違いでもないのかな、とも。 なのでNVIDIA Tesla V100とか汎用計算のために作られたGPUそのものをGPGPU、と呼んでしまっても 話は通じるし別に間違いってほどではないのかな、と。
とは言えあまり混同するのも良くないので 自分としては基本的にはGPGPUはGPUを使った汎用計算、という意味で使い、 CPUの代わりにGPUを使う、のような感じで演算装置としてはGPUを使っていこうかな、と思います。 (別にそんなちゃんと使わなきゃ行けない場面なんてないかもしれませんが。)